【NEW TOOL】最上位に近い AI が 5 分の 1 の料金に — 社内の AI 予算は見直す時期か

NEW TOOL

OpenAI が 9 月 29 日、新しい AI「GPT-6.1 Sol」を出しました。最上位の「GPT-6 Astra」に近い性能を、5 分の 1 の料金で使えるとしています。

経営層にとっての論点は、高い最上位版を全社で使い続けるかどうかです。仕事ごとに安い版へ振り分ける、その判断の物差しを持っているかが問われます。

30 秒でわかるポイント

  • GPT-6.1 Sol は、最上位の GPT-6 Astra の 5 分の 1 の料金
  • 文書の読み取りやプログラム作りで、Astra と同等の成績だとうたう
  • 先代の GPT-6 Sol からわずか 1 週間。料金表は数週間で変わる

1 分でわかる解説

AI の料金は、読ませた文章と書かせた文章の量で決まります。量の単位は「トークン」と呼ばれ、多く使う会社ほど単価の差が効きます。

安い版で足りる仕事は少なくありません。ただし、得意な仕事と苦手な仕事の差は残ります。

仕事の種類 OpenAI が示した比較
PDF 文書の読み取り、プログラム作り Astra と同等を 5 分の 1 のコストで
パソコンの画面操作 約 7 分の 1 のコストで、Astra との差は 2.1 ポイント

数字はどれも OpenAI の発表です。自社の仕事で同じ結果が出るかは、試して確かめるしかありません。

自社で確かめる 3 つの問い

  • 社内の AI の利用料が、どの仕事にいくら使われているかを把握していますか?
  • 最上位版でなければ困る仕事を、具体的に挙げられますか?
  • 新しい版が出たとき、自社の仕事で試して比べる担当者を決めていますか?
全文を読む(約 4 分)

何が起きたの? — 最上位に近い AI が安くなった

米 OpenAI は 9 月 29 日(現地時間)、新しい AI「GPT-6.1 Sol」を発表しました。開発者向けの催し(DevDay)での発表です。

先代の「GPT-6 Sol」の発表から、わずか 1 週間での更新です。プログラム作りやパソコン操作など、幅広い仕事で性能が上がったとしています。

同じ日から、ChatGPT の Plus、Pro、Business、Enterprise、Edu の各プランで使えます。ただし使える場所は、仕事向けの「ChatGPT Work」と、プログラム作り向けの「Codex」です。ふだんの会話画面(Chat)では、まだ使えません。

自社のシステムから AI を呼び出す窓口(API)でも提供します。料金は次のとおりです。

項目 100 万トークンあたりの料金
入力(読ませる文章) 2 ドル(約 314 円)
入力のうち、以前と同じ部分の再利用 0.10 ドル(約 16 円)
出力(書かせる文章) 10 ドル(約 1,571 円)

この単価は、最上位の GPT-6 Astra の標準料金の 5 分の 1 にあたります。

「Astra 並み」はどこまで本当?

OpenAI は、AI の性能を測る共通の試験(ベンチマーク)の結果を示しました。仕事ごとに結果は違います。

試験の中身 結果(OpenAI の発表)
プログラム作り(DeepSWE v1.1) 1 件あたり 5 分の 1 のコストで Astra と同等
PDF 文書の読み取り(GDP.pdf) 1 件あたり 5 分の 1 のコストで Astra と同等
何段階もの作業の実行(AutomationBench) 約 3 分の 1 のコストで、Anthropic の「Claude Opus 5.5」を上回る
パソコンの画面操作(OSWorld 2.0) 約 7 分の 1 のコストで、Astra との差は 2.1 ポイント

事実の誤りも減ったといいます。考える量を少なくした設定で、誤りの率は 11.4% から 7.7% に下がりました。どの設定でも、Astra との差は 1.9% 以内に収まるとしています。

たとえるなら、同じ書類を 5 分の 1 の外注費でほぼ同じ品質に仕上げる業者が現れた状態です。ただ、画面操作のように差が残る仕事もあります。安い業者に全部を出すかどうかは、仕事の中身で決まります。

AI の予算はどう変わるの?

これまでは「いちばん賢い版を全社で使えば安心」という考え方で足りました。料金の差が 5 倍になると、その考え方は予算を圧迫します。

これまで これから
選び方 最上位版を一律に使う 仕事ごとに版を振り分ける
見直しの間隔 年に 1 回の契約更新 新しい版が出るたびに比べる
判断の材料 提供元の発表 自社の仕事で試した結果

最上位の次の版も、予定どおりには出ません。米紙の報道として、OpenAI は「GPT-6.1 Astra」の公開を見送りました。研究者から安全上の懸念が出たためです。「次の最上位版を待つ」という計画も、立てにくくなっています。

SYNCON の視点 — 高い版は「必要な仕事」にだけ

AI の料金表は、数週間単位で書き換わります。GPT-6 Sol から GPT-6.1 Sol までは 1 週間でした。年に 1 回の予算の組み方では、安くなった分を取りこぼします。

決めるべきことは 3 つです。まず、社内の AI の使い道を仕事ごとに並べること。次に、その中で最上位版でなければ困る仕事を特定すること。最後に、新しい版が出たら自社の仕事で試す担当を置くことです。

発表の数字は、提供元が選んだ試験での結果です。自社でよく使う書類や作業で比べるまでは、判断の材料にはなりません。比べる手順を社内に 1 つ持っておけば、次の値下げにもすぐ乗れます。

要点まとめ

  • OpenAI が 9 月 29 日、GPT-6.1 Sol を発表。先代から 1 週間での更新
  • 料金は最上位の GPT-6 Astra の 5 分の 1。API は 100 万トークンあたり入力 2 ドル、出力 10 ドル
  • プログラム作りと PDF の読み取りでは Astra と同等、画面操作では 2.1 ポイントの差が残る
  • ChatGPT では Work と Codex で使え、ふだんの会話画面ではまだ使えない
  • GPT-6.1 Astra は安全上の懸念から公開を見送り
  • 最上位版を一律に使うのをやめ、仕事ごとに振り分ける物差しを持つ時期

情報ソース:
・ITmedia AI+「「GPT-6.1 Sol」登場 「一部Astra並み」性能をコスト5分の1で提供 先代モデルからわずか1週間で公開」(2026 年 9 月 30 日)
・TechCrunch「OpenAI launches GPT-6.1 Sol, says it nearly matches GPT-6 Astra and costs less」(2026 年 9 月 29 日)
・The Decoder「GPT-6.1 Sol comes close to Astra at a fifth of the price」(2026 年 9 月 29 日)
・円換算:欧州中央銀行(ECB)の参照レート(2026-09-29)

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