GMO の 2 社が 10 月 19 日、社内の文書を読んで答える AI と、業務の処理を自動で回す仕組みをつなぎました。
AI が規程を答えたあとの起票や登録、通知まで任せられるようになります。経営層が決めるのは、どこまで任せて、どこに人の確認を残すかです。
30 秒でわかるポイント
- 「GMO AI RAG」と「JOINT AI Flow byGMO」が連携
- AI の回答のあとに人がしていた起票・登録・通知を自動化
- 規程のファイルを直せば、次の取り込みから処理にも反映
1 分でわかる解説
これまでの社内 AI は、規程やマニュアルを調べて答えるところで止まっていました。答えを見た人が、申請を起こし、システムに登録し、関係者に知らせていました。
今回の連携では、業務の流れ(ワークフロー)の途中で AI が社内の文書を参照します。その判断をもとに、登録や承認、通知まで一続きで進めます。
| 工程 | これまで | 連携後 |
|---|---|---|
| 規程を調べて答える | AI | AI |
| 起票・登録・通知 | 人 | 自動化できる |
| 規程が変わったとき | 処理側の設定を直す | 規程のファイルを直す |
ここから考えたい 3 つの問い
- あなたの職場で、AI の答えを見たあとに人が手で回している作業は何ですか?
- 規程が改定されたとき、現場の手順や設定が追いつくまでにどれくらいかかっていますか?
- AI に任せる処理のうち、人の承認を必ず挟むべきものはどれですか?
全文を読む(約 4 分)
何が起きたの? — 「答えるだけ」の AI に続きの仕事を
GMO プライム・ストラテジーと GMO AI コネクトは、2026 年 10 月 19 日に新しい連携の提供を始めました。
つないだのは、次の 2 つのサービスです。
| サービス | 提供する会社 | 役割 |
|---|---|---|
| GMO AI RAG | GMO プライム・ストラテジー | 社内の文書をもとに答えを作る |
| JOINT AI Flow byGMO | GMO AI コネクト | 業務の流れを組み立てて自動で回す |
発表によると、これまでは AI の答えを受け取ったあとの起票や登録、関係者への通知は人の手に委ねられていました。今回の連携は、この分断をなくすことを狙っています。
連携を使うには、両方のサービスをそれぞれ契約する必要があります。料金は発表に書かれていません。
どういう仕組み?
GMO AI RAG は、社内の文書を探して、その内容をもとに答える仕組み(RAG)の製品です。Microsoft SharePoint や Google Drive、Windows の共有フォルダーにあるファイルを読み込みます。
自社内のサーバー(オンプレミス)でも動きます。機密性の高い情報を社外に出さずに使えるとしています。
JOINT AI Flow byGMO は、業務システム同士をつなぐ自動化の基盤(iPaaS)です。プログラムを書かずに(ノーコード)業務の流れを組み立てられます。
会計・人事・営業支援など、国内外 120 以上のネットで使う業務ソフト(SaaS)と生成 AI をつなげるとしています。データの取得から登録、承認、通知までを一連の流れで自動化します。
たとえるなら、規程に詳しい担当者が、調べるだけでなく書類の起票まで引き受けてくれるようになる形です。
仕事はどう変わるの?
発表では、2 つの使い方が紹介されています。
1 つ目は稟議や申請です。これまでは判断の基準になる社内規程を、処理の側に個別に設定していました。規程が改定されるたびに、その設定を見直す必要がありました。
連携後は、規程のファイルを AI の参照先として管理します。ファイルを更新すると、次の取り込みから処理が参照する内容も変わります。規程の管理と、処理の管理を分けられるわけです。
2 つ目は製造の現場です。担当者が生成 AI に質問すると、対処マニュアルや過去のトラブル事例を参照します。そのうえで、基幹システムの生産実績のデータと照らし合わせ、原因の絞り込みを助けます。
| 場面 | これまで | これから |
|---|---|---|
| 稟議・申請 | 規程が変わるたびに処理の設定を直す | 規程のファイルを直せば反映される |
| 製造現場のトラブル | マニュアルと実績データを人が見比べる | AI が両方を照らし合わせて絞り込みを助ける |
SYNCON の視点 — 任せる範囲と、人が見る場所を先に決める
注意したい点もあります。ITmedia の記事は、更新した規程がいつ反映されるかは、ファイルの取り込みや同期の運用しだいだと指摘しています。規程を直した直後に、古い基準で処理が進む時間が生まれうるということです。
同じ記事は、製造設備の操作など安全に関わる判断では、人による確認や承認を組み込むことが重要だとも書いています。社内の知識の更新管理、AI の判断の検証、承認の流れまで含めて設計することが鍵になります。
導入を考える会社がまず決めたいのは、仕組みの選び方より先に「どの処理を任せ、どこで人が止めるか」です。金額の大きい申請や、安全に関わる操作には承認を挟む。規程を改定した日は、取り込みが終わるまで自動の処理を止める。こうした運用の決めごとが、効果と事故の分かれ目になります。
要点まとめ
- GMO の 2 社が、社内文書を読む AI と業務の自動化基盤を 10 月 19 日につないだ
- AI の回答のあとに人がしていた起票・登録・通知を自動化できる
- 規程のファイルを直せば、次の取り込みから処理の判断にも反映される
- 反映のタイミングは取り込みや同期の運用しだい
- 安全に関わる判断や大きな申請には、人の確認と承認を残す設計が要る
情報ソース:
・GMO インターネットグループ「社内ナレッジを参照するAIが、業務フローまで自動化 「GMO AI RAG」と「JOINT AI Flow byGMO」が連携」(2026 年 10 月 19 日)
・キーマンズネット(ITmedia)「GMO、生成AIの「答えるだけ問題」を解消へ 社内ナレッジを業務フローにつなぐ」(2026 年 10 月 21 日)
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