Google 検索からサイトへの流入が、1 年で約 4 割減りました。AI が検索画面で答えを返し、利用者がサイトを開かずに済ませるようになったためです。
自社サイトの集客を検索に頼っている会社ほど、影響を受けます。これからは「検索で上位に出るか」に加えて、「AI の答えに引用されるか」が問われます。
30 秒でわかるポイント
- 米 Chartbeat の集計で、Google 検索からの流入は 1 年で 40.2% 減った
- サイバーエージェントの調査で、検索に AI を使う人が 52.3% と初めて半数を超えた
- AI に引用されるには、独自のデータ、担当者の言葉、結論から書く構成が効く
1 分でわかる解説
AI の答えだけで用が済み、どのサイトも開かずに検索を終えることを「ゼロクリック」と呼びます。サイバーエージェントの調査では、Google の検索画面に出る AI の要約だけで検索を終えることがあると答えた人が 63.2% いました。
これまでは、検索結果の上位に出るための工夫(SEO)が集客の柱でした。今後はそれに加えて、AI の答えに引用されるための工夫(GEO)が必要になります。
| これまで(SEO) | これから(GEO) | |
|---|---|---|
| 目指すこと | 検索結果で上位に出て、クリックされる | AI の答えに、出どころとして引用される |
| 見る数字 | サイトへのアクセス数 | AI の答えに自社が引用されたかどうか |
ここから考えたい 3 つの問い
- あなたの職場のサイトには、ほかのサイトでは手に入らない独自のデータがありますか?
- 問い合わせや売上のうち、検索から来ている割合を把握していますか?
- AI に自社のことを尋ねたとき、どんな答えが返ってくるかを確かめたことはありますか?
全文を読む(約 4 分)
何が起きたの? — 検索からの流入が 4 割減
産経新聞は 2026 年 10 月 19 日、AI の普及で検索の仕組みに大きな変化が起きていると報じました。ITmedia ビジネスオンラインにも配信されています。
記事が根拠に挙げたのは、米国の分析会社 Chartbeat の報告です。2025 年 7 月から 2026 年 7 月までの 1 年で、Google 検索からの流入は約 4 割減りました。
Chartbeat の「2026 Publisher Playbook」によると、減少幅は 40.2% です。その前の 1 年は 21.9% の減少で、減り方がほぼ倍に速まりました。ページの閲覧数に占める Google 検索の割合も、2024 年 7 月の約 9% から 2026 年 7 月には 5% に下がっています。
ただし、この数字は Chartbeat の顧客のサイトを集計したもので、ニュースなどの媒体に偏っています。どの会社のサイトにも同じ幅で当てはまるとは限りません。
利用者の側も変わっています。サイバーエージェントが 2026 年 8 月に 9,278 人に聞いた調査の結果をまとめました。
| 項目 | 2025 年 5 月 | 2026 年 8 月 |
|---|---|---|
| 検索に AI を使う人 | 21.3% | 52.3% |
| 検索エンジンを使う人 | 91.9% | 86.9% |
AI を使う人は、約 1 年 3 カ月で 31 ポイント増えました。検索エンジンも依然として多く使われていますが、少しずつ減っています。AI のおすすめをきっかけに、商品を買ったりサービスを使ったりした経験がある人も 58.7% いました。
「ゼロクリック」って何?
検索した人が、どのサイトも開かずに検索を終えることです。Google の検索画面の上に出る AI の要約や、対話型の AI が、答えを短くまとめて先に見せるために起きます。
産経新聞の記事は、利用者が AI の短い要約に満足し、引用元の企業のサイトを開かずに去ってしまうと説明しています。サイバーエージェントの 2025 年 12 月の発表では、AI の要約だけで検索を終えることがあると答えた人が 63.2% でした。
一方で、AI の要約の中にあるリンクを開くことがあると答えた人も 54.2% いました。引用されれば、読まれる道は残っています。店先の看板を見て帰る人が増えても、看板に自社の名前が載っていれば、次に思い出してもらえます。
会社のサイトは何を変えればいいの?
産経新聞の記事は、企業のサイトでは AI の答えに引用されるための工夫(GEO)がまだ進んでいないと指摘しています。そのうえで、3 つの対策を挙げました。
| 対策 | 具体的には |
|---|---|
| 独自の資料を載せる | 独自のアンケート結果や価格表など、AI がほかのサイトで代わりを探せない情報 |
| 誰の言葉かを示す | 担当者や専門家のコメントを載せ、信頼できる情報源だと分かるようにする |
| AI が読み取りやすく書く | 結論から始まる、簡潔な文章にする |
記事は、これまで重視してきたアクセス数に加えて、AI の答えに自社が引用されたかどうかが新しい重要な指標になる、という指摘も紹介しています。
SYNCON の視点 — 「見に来てもらう」から「引用してもらう」へ
サイトへのアクセス数が減ったとき、すぐに失敗と決めつけるのはまだ早いです。AI の答えの中で自社の名前や商品が紹介されていれば、利用者には届いています。まず決めるべきは、何をもって「届いた」とするか、その物差しです。
次に、自社にしか出せない情報を棚卸しします。現場で集めた数字、価格や仕様の一覧、担当者の知見などです。ほかのサイトの言い換えで済む記事は、AI に要約されて終わります。独自の一次情報は、AI が引用する理由になります。
最後に、担当を決めます。サイトの更新を外部の制作会社に任せきりにしている会社は多いはずです。AI に自社のことを尋ね、返ってくる答えを定期的に確かめる役を、社内の誰が持つかを決めておくことが出発点になります。
要点まとめ
- Chartbeat の集計で、Google 検索からの流入は 2025 年 7 月からの 1 年で 40.2% 減った(前の 1 年は 21.9% 減)
- サイバーエージェントの調査で、検索に AI を使う人は 52.3% に。2025 年 5 月の 21.3% から 31 ポイント増
- AI の要約だけで検索を終えることがある人は 63.2%。サイトを開かない「ゼロクリック」が広がる
- 対策は、独自の資料、担当者や専門家の言葉、結論から書く構成
- アクセス数だけでなく、AI の答えに引用されたかどうかを見る必要がある
情報ソース:
・ITmedia ビジネスオンライン(産経新聞)「検索流入は4割減 AIの「ゼロクリック」に企業はどう勝つか?」(2026 年 10 月 19 日)
・Search Engine Journal「Google Search Decline Steepened To 40% YoY For Publishers」(2026 年 9 月 24 日)
・宣伝会議 AdverTimes「生成AIの検索利用率、初の50%超え 約6割がAIの推奨から購入・利用」(2026 年 9 月 9 日)
・サイバーエージェント「生成AIのユーザー利用実態調査における、AI Overviewに関する調査」(2025 年 12 月 15 日)
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