Square、Cash App、Afterpayを運営する米フィンテック大手Block社が、全従業員の40%にあたる4,000人以上を一斉解雇すると発表した。創業者のJack Dorseyは株主への手紙で、その理由を端的にこう述べている。「少人数のチームが、我々が構築しているツールを使えば、より多くのことを、より良くできる」。
業績不振ではない。Block社の2025年通期の粗利益は前年比17%増の103.6億ドル。好業績のさなかの大規模リストラだからこそ、テック業界に衝撃が走っている。
何が起きたのか
Block社は従業員を10,000人超から6,000人未満へ削減する。Dorseyはこの決断を「AIネイティブ企業」への転換と位置づけた。社内で開発したAIツール「Goose」を中心に、より小さく、よりフラットな組織で生産性を高めるという戦略だ。
注目すべきは、Dorseyの「ほとんどの企業が同じことをするだろう」という予言だ。これは一企業のリストラではなく、AI時代の組織のあり方そのものを問いかけるメッセージである。
「AI-native」とは何か
「AI-native」とは、AIを後から導入するのではなく、最初からAIを前提に組織・プロセス・意思決定を設計するアプローチだ。Dorseyの言葉を借りれば「AIの能力は毎週複利で成長している」。つまり、人員を減らすことが目的ではなく、AIと人間の最適な組み合わせを見つけることが本質にある。
Block社の場合、Cash Appの「プライマリーバンキング利用者」は前年比22%増の930万人に達しており、少人数でも回せる仕組みがすでに構築されていた。削減ありきではなく、仕組みが先にあったということだ。
日本企業へのインパクト
「うちは日本だから関係ない」と思うのは危険だ。Amazon、Meta、Microsoft、Verizonなど、過去1年でAI関連の大規模リストラを実行した企業は枚挙にいとまがない。共通しているのは「業績好調でも人を減らす」という新しいパラダイムだ。
日本企業の経営者が今すぐ考えるべきは「AIで何人減らせるか」ではない。「AIを前提にしたとき、自社の最適な組織サイズはどこか」という問いだ。Block社が示したのは、その問いに正面から向き合った企業の答えである。
SYNCONの視点
解雇された4,000人のことを思うと、手放しで称賛はできない。しかしDorseyの「インテリジェンスツールの能力は毎週複利で成長している」という言葉は、すべてのビジネスパーソンが受け止めるべき現実だ。問われているのは「AIに仕事を奪われるか」ではなく、「AIと共に、自分の価値をどう再定義するか」である。
Status: Synced.
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