X で話題になっていた投稿を、SYNCON 編集部が深掘りします。深センでハードウェアの商品開発に携わる吉川真人氏(@mako_63)が、Anker と中国の業務ツール Feishu(飛書)が共同で出した AI 会議イヤホンを紹介しました。会議を録音するだけでなく、議事録とやることの一覧が、そのまま業務ツールに入ります。
30 秒でわかるポイント
- Anker と Feishu は 10 月 12 日、AI 会議イヤホンを中国で正式に売り出した。価格は 1,799 人民元(約 4 万 2,000 円)
- 録音、文字起こし、話す人の区別、議事録づくりまでを自動で行う。議事録は論点・結論・やることに整理され、Feishu に保存される
- 吉川氏の投稿は「そのままドキュメントやタスク管理と連携」する点を押さえていた。録音機の話ではなく、業務ツールの話として読める
1 分でわかる解説
吉川氏の投稿が効いているのは、機能の一覧で終わらせず、記録が業務ツールにつながる点まで 1 つの投稿に収めたことです。違いが出るのは、できた議事録がどこに届くかです。
中国の IT 媒体・快科技によると、録音と文字起こし、議事録は自動で Feishu に保存されます。ファイルを移す手間も、別のアプリを入れる必要もありません。
| 比べる点 | 録音機を置く会議 | AI 会議イヤホン |
|---|---|---|
| 記録する道具 | 録音機やスマートフォン | イヤホンと充電ケース |
| 議事録にするまで | 人が聞き直してまとめる | AI が論点・結論・やることに整理 |
| 記録の行き先 | 人がファイルを移す | 業務ツールに自動で保存 |
会議の記録が「誰かの作業」から「業務ツールの標準の動き」に移り始めています。
ここから考えたい 3 つの問い
- 議事録づくりに、誰の時間がどのくらい使われていますか?
- 会議で決まった「やること」は、ふだんの業務ツールに漏れなく入っていますか?
- 会議を録音するとき、相手への伝え方と記録の置き場所は決まっていますか?
全文を読む(約 6 分)
吉川氏の投稿は、何を伝えたの?
吉川真人氏は、中国の深センでハードウェアの商品開発に携わっています。プロフィールによると、ロボットなど体を持って動く AI(フィジカル AI)の中国での動きを、note やメルマガで発信しています。
その吉川氏が 10 月 13 日(日本時間)、Anker と Feishu(飛書)の AI 会議イヤホンを X で紹介しました。予想していた製品が出てきた、という書き出しです。
投稿は、価格、録音から議事録までの機能、自社製の AI 音声チップ、充電ケースの画面を短くまとめています。なかでも「そのままドキュメントやタスク管理と連携」という一言が、この製品の要を突いていました。
現地で商品開発をしている人の目で、機能の一覧ではなく「記録がどこへ流れるか」を拾っています。ここが、この投稿の良さです。
どんな製品で、いくらなの?
製品名は「安克 AI 会议耳机」です。快科技は 10 月 12 日、Anker(安克創新)が Feishu と組んで正式に売り出したと報じました。IT之家によると、同じ日の 20 時に販売が始まっています。
価格は 1,799 人民元(約 4 万 2,000 円)です。吉川氏が書いた「約 4 万円」と合います。予約は 9 月 18 日に、中国の通販サイト京東で始まっていました。
今回確認した報道は、いずれも中国での発売を伝えるものです。価格も中国での定価です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 録音の始め方 | オンライン会議はイヤホンを 2 回たたく。対面は充電ケースのマイクで録る(イヤホンを着けなくてよい) |
| 録音できる会議アプリ | Feishu、DingTalk(釘釘)、Tencent Meeting(騰訊会議)、Teams、Zoom |
| 文字起こし | 話す人を区別する。中国語・英語・日本語が混ざった会話に対応 |
| 翻訳 | 24 言語 |
| 充電ケース | 1.78 インチのタッチ画面。録音や音の調整を操作できる |
| 電池 | 充電ケースと合わせて 50 時間(騒音を消す機能を切った場合) |
議事録は、どこへ届くの?
ここが、吉川氏の指摘した要です。快科技によると、AI は録音から重要な論点、結論、やること(行動項目)を自動で抜き出します。比べる表や推移のグラフに直すこともできます。
できた記録は、自動で Feishu に保存されます。快科技の記事は「免转、免搬运」と表現しています。ファイルを変換したり運んだりしなくてよい、という意味です。
保存された記録は、個人やチームの知識の置き場(ナレッジベース)にたまります。あとから質問したり、まとめたり、検索したりできます。
ネットがつながらない場所でも録音でき、データは本体に保存されます。
自社製の AI チップは、何をしているの?
吉川氏が挙げた「Thus」は、Anker が自社で開発した AI 音声チップです。Anker の音響ブランド soundcore のサイトは、記憶と計算を同じ場所で行う方式のチップだと説明しています。
快科技によると、AI の計算能力のピークは、前の世代の最大 150 倍です。周りの騒音を消す処理を、クラウドに送らずにイヤホンの中で行います。
マイクは合わせて 10 個です。8 個が周りの音を拾い、2 個が骨を伝わる本人の声を拾います。小さな声でもはっきり録るための作りです。
soundcore のサイトによると、Thus を載せた最初のイヤホンは、5 月 21 日にニューヨークの催しで披露されました。
前作はどうだったの? 日本での動きは?
Anker と Feishu の共同製品は、これが初めてではありません。両社は 1 月 19 日、服に留めて使う小型の録音機「安克 AI 录音豆」を発表しています。中国の AI 媒体・量子位によると、価格は 899 人民元(約 2 万 1,000 円)、重さは 10 グラムです。
役割の分担は、ハードウェアが Anker、ソフトウェアと AI が Feishu です。Feishu の公式記事は、AI の録音機能はスマートフォンのアプリだけでも使えると説明しています。専用の機器は、長い時間、何度も録る人のための安定した手段という位置づけです。
費用の面では、文字起こしの量に枠があります。この録音機の場合、無料の個人向けプランは月 300 分までです。機器を買うと、6 か月のあいだ月 1,200 分が上乗せされます。
日本でも、Anker Japan が AI 録音機「Soundcore Work」を出しています。Impress Watch によると、価格は 24,990 円、重さは約 10 グラムです。日本語を含む 150 以上の言語の文字起こしに対応し、有料プランには月額 2,680 円のものがあります。
こちらは録音機で、今回の会議イヤホンとは別の製品です。
SYNCON の視点 — 日本の非エンジニア経営層は何を盗むべきか
盗むべき 1 つ目は、吉川氏が拾った「連携」の見方です。議事録の道具を選ぶとき、文字起こしの正確さだけを比べがちです。見るべきは、記録と「やること」が、ふだんの業務ツールまで人の手を介さずに届くかどうかです。月曜の会議を 1 つ選び、決まったことが担当者の予定に入るまでに、誰が何をしたかを書き出してみます。手作業の数が、そのまま自動化の余地です。
2 つ目は、録音の決まりを先に作ることです。イヤホンと充電ケースで録れるようになると、録音していることが相手から見えにくくなります。社内の会議と取引先との会議で、録音を伝える手順、記録を置く場所、残す期間を決めておきます。道具が届く前に決めておけば、導入のときに迷いません。
要点まとめ
- 吉川真人氏(@mako_63)は、Anker と Feishu の AI 会議イヤホンを紹介し、記録が「そのままドキュメントやタスク管理と連携」する点を押さえた
- 製品は 10 月 12 日に中国で正式に発売された。価格は 1,799 人民元(約 4 万 2,000 円)で、中国での定価
- AI が録音から論点・結論・やることを抜き出し、記録は自動で Feishu に保存される。Teams や Zoom の会議も録音できる
- 自社製チップ Thus とマイク 10 個で、騒音を消す処理をイヤホンの中で行う。充電ケースには 1.78 インチの画面がある
- 道具を選ぶ基準は、文字起こしの正確さに加えて、記録が業務ツールまで自動で届くかどうか。録音の決まりは先に作っておく
情報ソース:
・快科技「安克联合飞书推出 AI 会议耳机:Thus™ AI 芯片驱动 重构办公新体验」(2026 年 10 月 12 日)
・IT之家「安克 AI 会议耳机飞书版开售:支持线上线下全场景录音,1799 元」(2026 年 10 月 12 日)
・新浪科技(IT之家)「安克 AI 会议耳机开启预售:联合飞书打造、深度集成转写 / 翻译功能,1799 元」(2026 年 9 月 18 日)
・飞书 公式サイト「飞书×安克创新 AI 录音豆:不仅是形态创新,更是效率的进阶」(2026 年 1 月 20 日)
・量子位「安克创新与飞书联合发布”安克 AI 录音豆”,手指可握仅重10克」(2026 年 1 月 19 日)
・soundcore「What is ANKER Thus」(2026 年 10 月 14 日確認)
・Impress Watch「アンカー初のAIレコーダー「Soundcore Work」 約10gで文字起こし・要約対応」(2026 年 2 月 18 日)
・元投稿:吉川真人氏(@mako_63)、2026 年 10 月 13 日
・円換算:欧州中央銀行(ECB)の参照レート(2026-10-13)
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